Ubuntu系関連(トラブルシューティング)
Ubuntu系を運用する際に発生するであろう問題の解決方法を紹介します。
[項目]
- 起動時のブートローダー時間の変更(Windowsとデュアルブート時)
- Linux/Windowsデュアルブート環境時における時刻のずれ
- サウンドカードが2種類以上ある状態で、デフォルトのサウンドカードを変更する
- Bluetooth機器の接続(Windowsとデュアルブート環境)
- Bluetooth機器とベアリンクできない
- モニターの解像度が自動で設定されない場合(VGAで表示されてしまう場合)
- SSDの延命処理
- Bluetoothマウスを使用時に、数秒間アイドル状態にしてから移動すると、顕著に遅れが発生する
- シャットダウン時に'A stop job is running for Session c2 of user ...'のメッセージが表示され、シャットダウンに時間がかかる問題
- 起動時にblueman-tray関連の内部エラーが発生する
- ファイルマネージャから"smb://..."で古いNASに繋がらない
- システムトレイにアイコンが表示しない(Ubuntu)
- 起動時に「システムプログラムの問題が見つかりました」ダイアログが表示される
- Wi-Fiの速度が遅い(主にアップロード) - Ubuntu系18.04LTS
- ホームディレクトリ内のディレクトリ名表記を英語/日本語切り替え
- 起動時に"ima: error communicating to tpm chip"が表示される
起動時のブートローダー時間の変更(Windowsとデュアルブート時)
$ sudo leafpad /etc/default/grub
$ sudo update-grub
Linux/Windowsデュアルブート環境時における時刻のずれ
原因
MacOSではUTC、Windows8.1まではlocaltime、Windows10ではUTC、Unix系では既定無し(UTCが使われることが多い)が、 デフォルトとして設定されている為。Windows7、または8から10へアップデートした場合は、localtimeのままである。
対策
ハードウェアクロックがlocaltimeだと、サマータイムの切替時に時刻がおかしくなることがあるらしいので、時刻系は、UTCを用いるのが望ましい-
Windows上でコマンドプロンプトを管理者で実行し、以下のコマンドを実行します
reg add HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\TimeZoneInformation /v RealTimeIsUniversal /t REG_DWORD /d 1
- 再起動します
-
設定を元に戻す場合は、以下のコマンドを実行します
reg delete HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\TimeZoneInformation /v RealTimeIsUniversal /f
参考: http://d.hatena.ne.jp/gin135/20140304/1393943319
サウンドカードが2種類以上ある状態で、デフォルトのサウンドカードを変更する
- 端末でcat /proc/asound/cardsを実行し、搭載されているサウンドカードを確認します
$ cat /proc/asound/cards 0 [HDMI ]: HDA-Intel - HDA Intel HDMI HDA Intel HDMI at 0xf0630000 irq 48 1 [PCH ]: HDA-Intel - HDA Intel PCH HDA Intel PCH at 0xf0634000 irq 47
- ~/.asoundrcファイルを新規作成します(ここではデフォルトのサウンドカードをPCHに変更します)
[端末入力]
$ leafpad ~/.asoundrc
[変更内容]pcm.!default { type hw card PCH } ctl.!default { type hw card PCH }
- PulseAudioがインストールされていなければ、Synapticパッケージマネージャを使用してPulseAudioをインストールします
- 再ログインします
Bluetooth機器の接続(Windowsとデュアルブート環境)
- タスクバーにある[Bluetooth]アイコンを左クリックし、[Add Device...]を選択します
- Bluetooth機器のペアリングボタンを押します
- Bluetoothデバイスリストに該当のデバイスが表示されたら、該当デバイスをクリックし、[Pair]ボタンをクリックします
- "Connected successfully"メッセージが表示されれば接続完了なので、[OK]ボタンをクリックします
- 再起動して、Windowsを起動します
- Windows上でペアリングします
- Windowsを再起動します(以前のキーがレジストリィに残っているため)
- http://technet.microsoft.com/en-us/sysinternals/bb897553.aspx からPsExecをダウンロードして適当な場所に展開します
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、展開したディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します
.\psexec.exe -s -i regedit.exe
- レジストリエディタが起動します。以下のレジストリの場所に、MACアドレスがあるので、BDアドレスとリンクキーを控えます(キー名がBDアドレス、REG_BINARY型の値がリンクキーとなる)
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet002\services\B THPORT\Parameters\Keys\
キーが表示されていない場合は、Windowsを再起動して、再度確認します
- 再起動して、Linuxを起動します
- 端末で以下のコマンドを実行してinfoファイルを開きます
$ sudo leafpad /var/lib/bluetooth/MACアドレス/BDアドレス/info
例: $ sudo leafpad var/lib/bluetooth/XX:XX:XX:XX:XX:XX/YY:YY:YY:YY:YY:YY/info MACアドレスとBDアドレスのアルファベットは大文字で入力します
- infoファイル内のKey値をWindowsで控えたキーに置き換えて、保存します
- Linuxを再起動します
Bluetooth機器とベアリンクできない
bluetoothctlコマンドを使用しないと検出できない機器が存在します- 端末を起動し、以下のコマンドを実行します
$ bluetoothctl
- 対話モードになるので、この状態で以下のコマンドを実行します
scan on
- 検出されたら、表示されたMACアドレスを利用して、以下のコマンドを実行します
pair XX:XX:XX:XX:XX:XX connect XX:XX:XX:XX:XX:XX trust XX:XX:XX:XX:XX:XX
X:XX:XX:XX:XX:XXはMACアドレス
- ペアリングが完了したら、"exit"と入力して対話モードを終了します
モニターの解像度が自動で設定されない場合(VGAで表示されてしまう場合)
以下の内容はDELL 2001FPモニター使用の場合の例ですLubuntu(LXDE)の場合
- 端末で、下記のコマンドを実行してlightdm.confファイルを変更します
$ sudo leafpad /etc/lightdm/lightdm.conf
- 末尾に以下を追加し、保存します
[SeatDefaults] display-setup-script=/etc/lightdm/lightdm_display.sh
- 端末で、下記のコマンドを実行してlightdm_display.shファイルを作成します
$ sudo leafpad /etc/lightdm/lightdm_display.sh
- 以下を追加し、保存します
xrandr --newmode "1600x1200_59.87" 160.75 1600 1712 1880 2160 1200 1203 1207 1244 -hsync +vsync xrandr --addmode VGA-1 "1600x1200_59.87" xrandr --output VGA-1 --mode "1600x1200_59.87" --right-of DVI-D-1
※ VGA-1やDVI-D-1などのデバイス名はxrandrコマンドで確認できます - 端末で、下記のコマンドを実行してlight_display.shのパーティションを実行形式に変更します
$ sudo chmod 755 /etc/lightdm/lightdm_display.sh
- 再起動します
- [メニュー]→[設定]→[モニターの設定]を選択します
- ディスプレイの設定ダイアログの[解像度:]を[1600x1200_59.87]に変更し、[適応]ボタンをクリックします
- [すべてOKですか?...]とダイアログが表示されるので[OK(O)]ボタンをクリックします
- ディスプレイの設定ダイアログの[保存(S)]ボタンをクリックします
参考: https://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/Hardware/HowToChangeMonitorResolution
Ubuntu、Lubuntu(LXQt)の場合
管理者権限で"/etc/profile.d"ディレクトリに、拡張子".sh"を持つ任意のファイル名を作成し、上記の内容(xrandeが含まれている文章)を書き込みます。
SSDの延命処理
HDDではなく、SSDを使用している場合、SSDの延命処理をします- 端末で"sudo leafpad /etc/sysctl.conf"を実行し、ファイルに以下を追加し、保存します
vm.swappiness = 0 vm.dirty_writeback_centisecs = 1500
- 端末で"sudo leafpad /etc/fstab"を実行し、ファイルに以下の部分を修正および追加し、保存します
UUID=aaaaaaa-bbbb-cccc-dddd-eeeeeeeeeeee / ext3 relatime,errors=remount-ro 0 1 tmpfs /tmp tmpfs defaults,size=512m 0 0
一行目はrelatime、二行目のtmpfs...はそのまま追加します - 再起動します
Bluetoothマウスを使用時に、数秒間アイドル状態にしてから移動すると、顕著に遅れが発生する
- 端末で以下のコマンドを実行して、改善されるか確認します
$ sudo su - # readlink -f /sys/class/bluetooth/hci0 /sys/devices/pci0000:00/0000:00:1d.3/usb5/5-1/5-1:1.0/bluetooth/hci0 # cd `readlink -f /sys/class/bluetooth/hci0` # cd ../../../power/ # echo on > level # exit $
上記のコマンドで遅れ(ラグ)が生じなくなった場合、次に進みます - 端末で以下のコマンドを実行し、bt-tune-autosuspend.shファイルを作成します
$ sudo leafpad /etc/bt-tune-autosuspend.sh
- bt-tune-autosuspend.shファイルに以下の内容を記述し、保存します
#!/bin/bash cd `readlink -f /sys/class/bluetooth/hci0` cd ../../../power/ echo on > level
- 端末で以下のコマンドを実行し、rc.localファイルを作成します
$ sudo leafpad /etc/rc.local
- rc.localファイルに以下の内容を記述し、保存します
#!/bin/sh /etc/bt-tune-autosuspend.sh
- 各々のファイル権限を変更します
$ sudo chmod u+x /etc/rc.local $ sudo chmod u+x /etc/bt-tune-autosuspend.sh
- 再起動します
注意: サスペンド状態から復帰したら、ラグが再度発生します
参考: https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=570291
シャットダウン時に'A stop job is running for Session c2 of user ...'のメッセージが表示され、シャットダウンに時間がかかる問題
以下の設定で、デフォルト(1分30秒)を15秒に変更します- 端末で以下のコマンドを実行し、/etc/systemd/system.confファイルを編集します
$ sudo leafpad /etc/systemd/system.conf
編集内容(文頭のコメントアウト'#'を外すことを忘れないようにします)DefaultTimeoutStartSec=15s DefaultTimeoutStopSec=15s
- 端末で以下のコマンドを実行します
$ sudo systemctl daemon-reload
参考: https://unix.stackexchange.com/questions/273876/a-stop-job-is-running-for-session-c2-of-user
起動時にblueman-tray関連の内部エラーが発生する
原因
blueman-trayのバグ
対策
端末で以下のコマンドを実行します$ ls -ald ~/.cache $ ls -al ~/.cache/blueman-* $ killall blueman-tray $ rm ~/.cache/blueman-* $ blueman-tray
参考: https://ubuntu-mate.community/t/20-04-blueman-tray-causes-internal-error/21680
ファイルマネージャから"smb://..."で古いNASに繋がらない
原因
Ubuntu系20.04からSambaClientのデフォルト値でSMB1に対応していない
対策
管理者権限を用いて、テキストエディタで/etc/samba/smb.confファイルの[global]セクションに"client min protocol = NT1"を追加します[global] client min protocol = NT1
メモ: セキュリティ上、SMB1を使用しないほうが好ましい。
ubuntuやxubuntuのように、/etc/samba/smb.confファイルがない場合があります。その場合、sambaがインストールされていないと思われますので、 "dpkg -l | grep samba"コマンドで確認し、もしSambaがインストールされていなかったら、"sudo apt install samba"コマンドでインストールして、 /etc/samba/smb.confファイルを編集します。
参考: http://www.samba.gr.jp/project/translation/current/htmldocs/manpages/smb.conf.5.html
システムトレイにアイコンが表示しない(Ubuntu)
原因
システムトレイは「レガシー扱い」となって、Ubuntuの17.10から取りやめになっています
対策
- Gnome Tweaksが入っていなければ、インストールします
$ sudo apt install gnome-tweak-tool
- 端末で次のコマンドを入力して、gnome-shell-extension-top-icons-plusをインストールします
$ sudo apt install gnome-shell-extension-top-icons-plus
- Tweaksを起動し、[拡張機能]の[Topicons plus]をオンにし、歯車(設定)ボタンクリックします
- [Tray horizontal alignment]を[Right]に設定し、設定ウィンドウを閉じます
参考: https://www.howtoinstall.me/ubuntu/18-04/gnome-shell-extension-top-icons-plus/
起動時に「システムプログラムの問題が見つかりました」ダイアログが表示される
対策
- 端末で次のコマンドを入力します
$ sudo rm /var/crash/* $ sudo sed -i 's/enabled=1/enabled=0/g' /etc/default/apport
Wi-Fiの速度が遅い(主にアップロード) - Ubuntu系18.04LTS
原因
802.11nおよびiwlwifiIntelチップに何らかの問題がある場合があります対策
802.11nをオフにします- 端末で次のコマンドを入力します
$ sudo modprobe -r iwlwifi $ sudo modprobe iwlwifi 11n_disable=1
- 改善が見られたら、以下のコマンドで永続的に設定します
$ echo "options iwlwifi 11n_disable=1" | sudo tee /etc/modprobe.d/iwlwifi.conf
ホームディレクトリ内のディレクトリ名表記を英語/日本語切り替え
~/.config/user-dirs.dirsファイルを編集
- 端末で次のコマンドを入力します(テキスト編集アプリがLeafpadの場合)
$ leafpad ~/.config/user-dirs.dirs
- 再ログインします
ディレクトリは、手動で変更、又は作成する必要があります